言の葉周遊(あきおの読書日記)

読んだ本、気になる言葉、詩を書いていきます

モノガタルカラダ 物語る声

12月15日見てきた!

もう一度見たい!

金滿里×姜信子 企画

モノガタルカラダ/物語る声

「モノガタルカラダ/物語る声」チラシ
金満里(身体表現) 渡部八太夫(三味線、語り、歌) 姜信子(口先案内人)

4回目の公演を見た。 

金満里さん身体表現と八太夫さんの語りと三味線。すごいわ。終わった瞬間声が出なかった。会場もシーンをしている。それは際の割れ目が、金満里さんのところにぽっかり穴を開け、そこに薔薇を持つ彼女が浮遊している感じがしたのだ。
 「際」この演舞、歌、音を聞いて、この言葉が浮かんできた。谺雄二「いまなぜライなのか」金時鐘 「うたまたひとつ」 石牟礼道子「花を奉る」 
谺雄二さんの恋とモラルその間に立ちふさがる塀。八太夫の語りの前で、金満里は殻から抜け出るように指がうごめく、うごめきながら這い出してくる。指一本が恋とモラルの塀を這い出しているような動きだ。 そして、金時鐘さんの「打ってやる」。語りは日本そして自己を、「打ってやる」とバチが響くのだ。身体はその「打ってやる」の響きの前で、せめぎ合うかのように動く。すべてを見よ、と、私を射抜くかのように鋭い眼光を放つ。そして石牟礼道子の花の存在へと向かう。一輪の花は、まさに彼岸と此岸の際に咲くかのように金満里に抱かれている。すべての「際」が収斂されていくようなラストシーンだ。渦巻いているものもが、抱かれた花の前で静まるかのように、金満里と花がその空間で浮遊するのだ。
 ボクには忘れられない公演になった。
 金満里さんの舞台を見るのは20年ぶりくらい。再び出会えたことが、とても嬉しい。